【貴様は死体だが、命に別状はない。/岩葉純希】死者を蘇らせる魔女カスミにアイドルを蘇生させたいと望むのだが・・・!?

 

貴様は死体だが、命に別状はない。
kisamahashitai

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著者:岩葉純希


大人気アイドル明星きららがレッスンスタジオで火事に巻き込まれ死亡・・・

そんなニュースが世間を騒がしてしばらく経った頃、あるビルの一室にある「蘇命庵」に男が訪ねてきます。
この男は成田と言い、明星きららのマネージャーでした。
成田の子脇には茶色の紙袋。
実はこの袋の中身はきららの骨であり、成田がここに来た目的はきららの蘇生のためだったのです。

「あの人が言うには、これを持っていれば扉が開くと」
「これ」とはきららの骨の事です。
その言葉が本当だったのか、扉は簡単に開き、中に入る事ができました。
部屋の中はいろいろなもの雑然と置かれた洋室で、そこに庵の主である魔女カスミもいました。

成田は簡単にきららに起こったことを話すのですが、カスミもそのニュースは知っていたのか同情してくれます。
ただ一つ間違いがあるとすれば、カスミは事務所のためにきららを蘇生させたいと思っていたことです。
もちろん、成田にも事務所的な都合はあったのですが、それ以上に個人としてきららを蘇生させたいと思っていたのです。
実は成田はきららに酷いことを言ってしまい、そのことを謝りたいと思っていたのです。
その矢先に火事が起こってしまい、謝れず伝えたいことも伝えきれない後悔が成田をこの怪しい蘇命庵に足を向けさせた理由でした。

とはいえ、成田も死者を蘇生させることができるとは信じていません。
死体から蘇らせるならまだしも、成田の手元にあるのはきららの骨の一部でしかないのです。
これでどうやって蘇生するのか・・・?
カスミも自分の仕事が妖しくて信用されていないことは承知しているのか、目の前で蘇生を見せてくれます。
壁に飾ってあった蝶の標本を握りつぶし、その場で蘇生させたのです。
ただでさえ死んでいる蝶を完全につぶしたのに、そこから元の姿で蘇生したのを見て信用する気になった成田。
しかし、カスミはある事を伝えてきます。
「蘇生はできる。ただし完全ではない」と。

貴様は死体だが、命に別状はないということは逆説的に言うと、何らかの問題が発生するという事なのでしょう。
カスミ自身もそれが何であるのかは蘇生させてみないと判らないようです。
故にこんな逆説的な言い回しになってしまったのでしょう。
それでもきららの蘇生を望む成田。

そして、蘇ったきららは・・・
貴様は死体だが、命に別状はない。
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著者:岩葉純希

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